- ETFは簡単に分散投資が可能
- ETFを活用した投資手法5選を紹介
- 資産形成初期のおすすめ手法
ETFの魅力
ETFは、「Exchange Traded Funds」の略で、「上場投資信託」と呼ばれ、投資信託との大きな違いは、上場しているか否かです。
ETFは指数に連動するインデックスファンドが多く、インデックスファンドは株価だけでなく、債券、REIT(リート)、通貨、コモディティ(商品)の指数もあります。
そのほか、セクター別にもわけられています。
- 金融
- エネルギー
- 公益事業
- 生活必需品
- 素材
- 資本財・サービス
- ヘルスケア
- 通信サービス
- 一般消費財・サービス
- 情報技術
また、投資信託と違って、ETFは基本的に株式と同じイメージで、売買コストが発生し、市場が空いている時間は売買が可能(投資信託は売買手数料が無料なものが多いが、1日1回基準価格が決定)。
名称 | 発生 | ETF | 一般の投資信託 |
---|---|---|---|
買付手数料 | 購入時 | ネット証券で一部ファンドは無料 | 無料のファンドはETFより多い |
信託報酬 実質コスト | 保有中 | 一般の投資信託より低い | ETFに近づいてきている |
売却手数料 | 売却時 | 株式同様に発生する | 無料のファンドも多い |
為替手数料 | 売買時 | 発生する(外貨の場合) | 発生しない(円で投資) |
ETFの投資手法
基本3選
コア・サテライト
惑星と衛星のように、コア(中心)を固め、サブでチャンスを取りに行く手法です。
チャンス(アルファ)を取りに行くのはリスクが付き物なので、コアとサテライトの比率はコアが6割以上になるよう設定することがおすすめ(慎重な方は8割)。
- コア:ベータ(市場平均)
- サテライト:アルファ(市場平均を上回るリターン)
ビルディング・ブロック
複数のETFを組み合わせて、理想のポートフォリオを作る手法です。
ビルディング・ブロック法は、各資産クラスの期待リターンをリスクプレミアムから推定することに使われていますが、これを応用できると考えます。
- 株式や債券の期待リターンと、資産や年齢などから取るリスクを勘案して、アセットアロケーションを決定
- アセットごとにETFを選び、理想のポートフォリオを作成
アセットクラス分散
株式や債券のほか、不動産やゴールド、コモディティにも投資する手法です。
株式・債券は伝統的な投資対象資産と呼ばれ、不動産やコモディティは「代替的(オルタナティブ)な資産」と呼ばれていますので、オルタナティブ投資手法とも呼ばれます。
オルタナティブ資産への投資は、「コア・サテライト」か、「ビルディング・ブロック」の考え方で分散すると良いでしょう。
上級者2選(トレーディング)
ロング(ブル)
トレーディングは、マーケット全体やセクター別の売買(トレード)を繰り返す手法。
マーケットタイミングを無視した積立投資は市場平均の恩恵を受けられますが、トレーディングでは市場平均を上回るため、タイミングや投資先を厳選することが必要。
個別銘柄と比較してETFはコストが高いですが、分散が効くため個別株特有のリスクは回避することが可能です。
また、分配金が再投資しやすい投資信託は長期投資向け、タイミングで売買しやすいETFは短期投資(トレーディング)向きといえます。
ショート(ベア)
ロングは指数やセクターの動きに連動する成果を得るのと反対に、ショートは指数と反対の動きとなるETFを買う手法。
トレーディングが上手な人は、割安のETFを買い(ロング)、割高なETFを売る(ショート)ことで利益を狙うロングとショートを合わせたロング・ショート戦略も可能。
まとめ
資産形成初期に向いている手法は、コア・サテライトを決定して、コアの部分を株式(米国or日本or先進国)にすること。
長期投資を前提とした場合、コアは必ずしもETFではなく投資信託でも良いが、投資信託の多くは投資先のETFが存在するので、結果としてETFを活用することになる。
200万円から資産形成を始める場合、筆者ならどうするか考えてみました。
- 投資資金の6割をコア、4割をサテライトにする
- コアの1/3を一括投資、1/3を積立、1/3をスポット買い
- 積立は、つみたてNISAやiDeCoを活用する
- サテライトは相場を知るために学びながら少しずつ買っていく
- 相場に慣れてきたらコア1/3のスポット買いの時期を考える
- コアが120万円、サテライト80万円
- コア40万円一括投資、40万円積立、40万円スポット買い
- 積立は、つみたてNISAやiDeCoを活用する
- サテライト80万円は学びながら少しずつ買っていく
- 相場に慣れてきたらコア40万円のスポット買いの時期を考える
※非課税制度(NISA、iDeCo)は継続して積立を行う(難しい場合はサテライトとスポット買いの比率を下げる)