株式を学ぶ

【好機】日本株の新アクティブETF

日本の株式市場は長期にわたり低迷している中、近年、東京証券取引所、金融庁や経産省などが国をあげて企業の競争力を取り戻させるため、企業価値向上を意識するように求める等、上場事業会社に対しての圧力が高まっている。

今回は、シンプレクス・アセット・マネジメントの新しいETFを3つ紹介。

PBR1倍割れ解消推進ETF

上場会社でありながら株価がブックバリューを下回っているという特異な現象を改善させることを目的に、経営者に対してエンゲージメントを行っていくことでパフォーマンスを上げていくアクティブETF。

PBRとは現在の株価が企業の資産価値の何倍かを測る尺度。
一般的にはPBR1倍が株価の底値の目安とされていますが、日本では半数程度の企業がPBR1倍割れ。

このETFは、PBR1倍割れの企業をユニバースとして分散投資を行われる。
議決権行使を通じて割安な企業価値を放置している経営陣に経営の質の改善を促される。

政策保有解消推進ETF

このETFは政策保有株式が連結純資産の一定割合以上を占める企業に幅広く投資し、投資先企業の経営改善に伴う株価上昇を狙う。

各企業が保有する政策保有株式の増減を見ると、3年前と比べて保有銘柄数が減っている企業が多い一方で増やしている企業も1500社超。

原則として過大な政策保有株式を長期間放置している企業の経営陣に企業価値向上の意識を刺激。

方法としては、議決権行使などのエンゲージメント活動によって政策保有株式の縮減を加速し、日本の上場企業の大半が政策保有株式0になる世界の早期化を目指し、高度なガバナンス、高い資本生産性を備えることを期待。

投資家経営者一心同体ETF

このETFは、経営陣が自社株を一定以上保有する企業、つまり経営者と株主が一心同体になって経営が行われている企業群をユニバースとして投資される。

企業は多くのステークホルダーから成り立っており、その一つが経営陣(経営者)であり、また別のひとつが株主(所有者)。

コーポレート・ガバナンスの進展とともに所有と経営の分離。その一方で、経営陣と投資家との間には経営の時間軸等の面で対立が見受けられ、経営の短期志向化、あわせて投資家のショートターミズムなどは依然結論の出ていない重要な課題。

この課題に対する一つの解決策が経営陣に対する中長期インセンティブですが、わが国ではまだまだ少ない。

経営陣が株式を相当程度保有し、投資家と経営者がいわば“一心同体”として中長期的な企業価値の拡大が行われることを期待し投資されます。

ただし、それらはオーナー企業に限らず、経営陣の保有株式が相当程度保有すればいわゆるオーナー企業の状態とは程遠い場合であっても、日本の遅れた中長期インセンティブの現状からすれば十分に魅力的な投資対象であると考え、ユニバースを形成。