投資信託とETFのどちらに投資すればいいのか悩んでいるの。
コストと再投資について理解しよう。また、始めは投資信託で問題ない。
<投資先を検討されている人向け>
- ファンドの違い
- 投資信託とETFのコスト差
- 投資信託とETFの投資目的
投資信託
ファンドの役割
投資信託(ファンド)とは、投資家から集めた多額の資金を運用のプロであるファンドマネージャーが株式や債券などに投資・運用し、その運用の成果である利益を還元するという金融商品です。
投資信託は、投資家から集めた資金を元に「販売会社」「運用(委託会社)」「管理(信託銀行・受託会社)」の3機関が役割を分担し、運用されています。役割が分かれており、証券会社自体の財産とは分けて、分別管理されているので、万が一証券会社が破たんしても、投資家の財産は投資家に返還されます。
基準価額
「基準価額」とは、投資信託の値段のことで、1口もしくは1万口あたりの値段のことです。この「口(くち)」とは、投資信託の取引を行う際の単位のことです。
一般的な投資信託は、運用実績の判断をわかりやすくするために、1万口あたりの値段を基準価額として公表しています。
証券取引所に上場している株式は、市場が開いている間、株価が変動し、売買が可能です。一方、投資信託の値段は、組み入れている株式や債券などの時価評価が基になりますが、1日に1回、価額を計算して公表されます。この基準価額を売買の単位として使い、投資信託の購入や換金が行われます。
一般の投資信託は購入の注文をした段階では価格がわからず、翌日にならないと基準価格がわからない。
少額から分散投資
日本の上場企業の株式は単元株制度があり、最小単元は100株と定められていることから、基本は100株単位で購入することになります。1株から取引できる証券会社も増えてきたものの、取引タイミングに制限があったり、手数料が高くなりがちであったりと、単元株で買うよりも制約が多いです。
また、1つの銘柄だけに投資していた場合、企業倒産や株価が値下がりすると、そこでの影響をそのままに受けてしまい大きな損失を負う可能性があります。
自分で多くの企業に分散投資することは多額の費用がかかったり、様々な国にその国の金融商品を投資したりすることは大変ですが、投資信託であれば100円から投資が可能です。投資信託によって、資金が複数の銘柄に分かれて運用されることで値下がりなどの様々なリスクを分散、軽減することができ、値上がり銘柄の恩恵も受けられます。
投資信託は安価に分散投資が可能!
コスト
販売手数料が無料(ノーロード)であったり、信託財産留保額が無料であるファンドも増えてきた。もちろんコストは安い方が良いが、長期投資であれば1度きりである購入時と売却時の費用は大きな負担にならないケースも多いが、保有中にかかるコストはずっと発生する。
保有中にかかるコストのうち、信託報酬は目論見書で確認可能だ。ただし、隠れコストは運用報告書で報告される。なぜなら、隠れコストは、事後にならないとわからないものだからである。
この信託報酬と隠れコストを合わせて、実質コストと呼ばれる。
名称 | 発生 | 具体的な内容 | 備考 |
---|---|---|---|
買付手数料 | 購入時 | 購入時に販売会社に支払う費用 | 目論見書で確認可能 |
信託報酬 | 保有中 | ファンドの運用費用 | 目論見書で確認可能 |
売買委託手数料 | 保有中 | 取引の際に支払う費用 | 隠れコスト |
有価証券取引税 | 保有中 | 取引の際に発生する税金 | 隠れコスト |
その他費用 | 保有中 | 有価証券などの保管費用や監査費用など | 隠れコスト |
信託財産留保額 | 売却時 | 信託期間中に解約(換金)にかかる費用 | 目論見書で確認可能 |
ETF
ETFは、「Exchange Traded Funds」の略で、「上場投資信託」と呼ばれています。
投資信託との大きな違いは、上場しているか否かです。
ETFの大半は指数に連動するインデックスファンドであり、インデックスファンドは株価だけでなく、債券、REIT(リート)、通貨、コモディティ(商品)の指数もあります。
インデックスファンドは指数連動型の投資信託であるため、対象指数と同じ銘柄・比率で株式や債券を保有する方法や、定量的な分析によってその株式や債券の保有比率を工夫する方法、また、派生商品を使う方法で、指数の動きに連動する運用成果が可能になります。
また、投資信託と違い、ETFは金融商品取引所の取引時間内に、株式と同様に相場の動きを見ながら売買が可能です(投資信託は1日1回価格が決まる)。
投資信託のメリットである少額から分散投資できる利点は同じであるが、コストのかかり方に少し違いがある。
ETFと投資信託のコスト
名称 | 発生 | ETF | 一般の投資信託 |
---|---|---|---|
買付手数料 | 購入時 | ネット証券で一部ファンドは無料 | 無料のファンドはETFより多い |
信託報酬 実質コスト | 保有中 | 一般の投資信託より低い | ETFに近づいてきている |
売却手数料 | 売却時 | 株式同様に発生する | 無料のファンドも多い |
為替手数料 | 売買時 | 発生する(外貨の場合) | 発生しない(円で投資) |
ETFの売買時の手数料はネット証券などで定額となっている場合があるため、一括投資を行う場合は信託報酬が安いのでメリットがある。
ETF・投資信託・株式の取引比較
ETF | 一般の投資信託 | 株式 | |
---|---|---|---|
販売会社 | 証券会社 | 取扱証券会社、銀行 | ETFと同じ |
取引価格 | リアルタイムで変動する市場価格 | 基準価格 | ETFと同じ |
取引可能時間 | 取引所立会時間(リアルタイム) | 販売会社の指定時間中 | ETFと同じ |
発注方法 | 成行/指値 | 基準価格がわからない状況で購入・換金 | ETFと同じ |
定額積立 | 一部証券会社の特定ファンド | 可能 | なし |
分配金再投資 | 自分で再投資 | 自動再投資可能 | なし |
信託報酬 | 投資信託より一般的に安いことが多い | ETFより少し高い | なし |
リスク | 分散投資により、個別銘柄にかかわるリスクは分散される | ETFと同じ | 個別銘柄にかかわるリスクあり |
分配金(配当等)を受け取りたい場合はETFがおすすめ。
分配金も投資に回したい場合は再投資可能で税制面で有利な投資信託がおすすめ。積立したい場合も投資信託が簡単で楽。
私(yamato)の選択
私はETFと投資信託の両方保有しています。
今なら投資信託だけで良かったかもしれませんが、ひと昔前まではETFの方が断然コストが安かったので、両方持ちになっています。
ETFは二重課税の問題もありますが、外国税額控除で多少取り戻せているはず。
当面は両方持ちとなりますが、出口戦略としては、複数のファンドを持っていると選択肢ができておすすめです。利益(課税対象)が少ないファンドから現金化すると、税の繰り延べ効果で利益の出ているファンドがより利益を生んでくれる可能性が高いです。
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